易経は、宇宙の現象を卦や爻、陰陽の変化で表し、六十四卦を通じて人生や未来の傾向を示す古代中国の占い教本です。
易経は占い以上に、変化と適応力を強調し、困難な状況に柔軟に対応する智慧を教えてくれます。卦や爻を通じて未来を読み解くことで、計画や決定に役立つ洞察を得られます。
自分や周囲の状況を深く理解し、賢明な判断力を養いたい方にとっておすすめです。
易経とは
森羅万象全ての宇宙で起こる現象が、卦や爻、陰陽の変化が記され、六十四卦を通じて人生の指針や未来の傾向が示されています。
易の歴史
易経とはいわば易占いを実践する際に用いる教本のような存在です。
伝説的な中国の皇帝である「禹(う)」によって創始されたと言われています。禹は中国古代の君主で、伝説的な時代である夏朝の初代の王とされ、治水の功績があります。易経をよりどころに占いを行う周易は禹が治水のために、この占いを用いその経験から派生したという伝説があります。最も重要な貢献者の一人は、儒家の哲学者である孔子です。孔子は、周易を学び、その理念を弟子たちに教えました。
また、後漢時代には、『周易』の注釈書を著したとされる郭璞(かくはく)や、王弼(おうひつ)などがいます。これらの学者たちは、『周易』の教本を解釈し、その理論を深化させるとともに、儒教の一翼として発展させました。
さらに、宋代には朱熹(しゅき)が『周易』に関する注釈書を著し、朱子学派として知られる哲学体系を築き上げました。朱子学は中国の儒教に大きな影響を与え、周易の理念が広く学ばれるようになりました。日本にも四書五経と呼ばれ早くから伝わり学問として学ばれました。
易経の基本となる陰陽
陰陽は、二つの対立する要素や力が一体となり、バランスを保つ考え方です。
陰は月や夜、陽は太陽や昼を象徴し、両者は相互に補完し合い、変化と調和の中で宇宙や自然の法則を説明します。陰陽は中国の伝統的な医学や占術、哲学、自然科学など多岐にわたり応用されています。
例えば、四柱推命という占いにもこの概念は基本として使われています。四柱推命の学習を合わせてしたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
陰陽と八卦
八卦は太極から発し、陰陽の相互作用により四象(太陽・太陰・陰陽・陽陰)が生じ、これらが組み合わさって八卦が成り立つっています。
象・小成八卦 | 読み | 陰陽のならび | 意味 |
---|---|---|---|
乾:けん(天) | 陽・陽・陽 | 「天」「父」、社長、完全、威厳、活動、拡張、北西 | |
兌:だ(沢) | 陽・陽・陰 | 「沢」「三女(少女)」、悦び、少女、口、おしゃべり、飲食、不足、西 | |
離:り(火) | 陽・陰・陽 | 「火」「二女(中女)」、中年の女、離別、名誉、美、明知、南 | |
震:しん(雷) | 陽・陰・陰 | 「雷」「長男」、声あって形無し、驚く、新しい、虚言、東 | |
巽:そん(風) | 陰・陽・陽 | 「風」「長女」、調う、長い、長引く、信用、南東 | |
坎:かん(水) | 陰・陽・陰 | 「水」「二男(中男)」、中年の男、水、困窮、忍耐、思索、裏のこと、北 | |
艮:ごん(山) | 陰・陰・陽 | 「山」「三男(小男)」、止める、強欲、静止、蓄える、相続、関節、北東 | |
坤:こん(地) | 陰・陰・陰 | 「地」「母」、庶民、地味、消火器、南西 |
八卦太極図
八卦太極図は宇宙の根源的エネルギーである太極のエネルギー遷移を表現しています。太極は宇宙の始まったビックバーンの直後を表しているもので、これにより万物が存在します。太極のない状態は完全な「無」で、何も生まれません。宇宙の根源はすなわちビックバーンであり、太極から全てが始まったのです。
また、六十四卦は八卦の組み合わせから生まれ、各卦は八卦の性質と相互関係に基づいて形成されます。図の卦をクリックしてみましょう。それぞれの象意の理解に役立ちます。
卦は、六爻で構成されます。下から上へ初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と呼ばれ64卦×6爻=384爻あります。今置かれている状況、どうしたら良いかを384のパターンの解説からヒントを得るのが周易となります。
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